二十四節気

立春(りっしゅん)・正月節とは-二十四節気

立春・正月節とは-二十四節気 二十四節気

立春(りっしゅん)は例年2月4日前後に訪れる二十四節気で1番目の節気(暦)であり、正月節とも言われています。そして暦の上で春となる日とされています。

旧暦の正月とも言われていますが、実際には旧暦(太陰太陽暦)の正月とは異なります。

これからまだまだ寒くなる時期に立春という春をイメージさせる言葉になっているのか、詳しく立春について説明します。

立春と二十四節気

梅とメジロ

2月の初旬、関東以西だと梅が咲き始め、メジロが飛び交うようになる頃に立春は訪れますが、立春ってどういう理由で決まっているのだろう?と思いませんか?

また二十四節気の最初に位置するものと聞いたことはあるけど、二十四節気ってそもそも何なの?と思うこともあるでしょう。

それぞれについて詳しく説明します。

立春とは?太陽黄経が315度

天球図に示した立春

立春とは、天空の赤道と太陽が通る見た目の円(黄道)が南から北へ交わる点を0度とした時(これを春分と言う)、315度になった状態(瞬間)のことです。または315度になった瞬間から330度になる直前までの期間のことです。

立春は「暦の上で春になった」と言われることが多いですが、太陽の位置を4分割した時に冬モードから春モードに入ったと考えれば「暦の上での春」という言葉に違和感がなくなるのではないでしょうか?

なお立春となる時間は太陽の通過する時間がエリアによって異なるため、国によって異なります。

参考までに立春にあたる英単語はありませんが、春分・秋分に当たる英単語はあります。「Equinox」です。

また夏至・冬至にあたる英単語もあります。「Solstice」です。

天文学的な状態なのでいろいろな国で春分・秋分、夏至・冬至と同じ意味の単語は存在しています。

また立春は「二十四節気」における最初に配置されたものにもなっています。

このサイトでは、二十四節気の説明において定気法(黄道を24分割する=角度)を採用していますが、平気法(恒気法)という1年という期間を24分割して二十四節気を当てはめる方法もあります。現在主流は、定気法です。
定気法と平気法だと日にちが最大で2日ズレることがあります。

旧暦における立春

たまに立春は旧暦における正月もしくは元旦だという人もいますが、これは厳密には異なります。

二十四節気における節月という考え方であれば正しいのですが、節月が日本の歴史において、暦(今で言うカレンダー)になったことは無いためです。

日本の旧暦は太陰太陽暦という月の満ち欠けで暦を決めているものです。それに対して立春等の二十四節気は太陽暦となっています。

実際には下記のようになっています。

新暦の立春 旧暦の立春
2000年2月4日 1999年12月29日
2001年2月4日 2001年1月12日
2002年2月4日 2001年12月23日
2003年2月4日 2003年1月4日
2004年2月4日 2004年1月14日
2005年2月4日 2004年12月26日
2006年2月4日 2006年1月7日
2007年2月4日 2006年12月17日
2008年2月4日 2007年12月28日
2009年2月4日 2009年1月10日
2010年2月4日 2009年12月21日
2011年2月4日 2011年1月2日
2012年2月4日 2012年1月13日
2013年2月4日 2012年12月24日
2014年2月4日 2014年1月5日
2015年2月4日 2014年12月16日
2016年2月4日 2015年12月26日
2017年2月4日 2017年1月8日
2018年2月4日 2017年12月19日
2019年2月4日 2018年12月30日
2020年2月4日 2020年1月11日
2021年2月4日 2020年12月23日
2022年2月4日 2022年1月4日
2023年2月4日 2023年1月14日
2024年2月4日 2023年12月25日
2025年2月3日 2025年1月6日
2026年2月4日 2025年12月17日
2027年2月4日 2026年12月28日
2028年2月4日 2028年1月9日
2029年2月3日 2028年12月20日

旧暦において12月の立春は年内立春、1月の立春を新年立春と呼んでいます。

何十年かに1度、立春に旧暦の1月1日が重なることがあり、朔日立春と言い、非常に縁起の良い日とされています。最後に旧暦の1月1日が立春になったのは1992年2月4日です。

今後朔日立春となるのは、2038年2月4日(木)です。

なお立春を1年の始まりとする文化は現在の日本にもいくつか残っており、その名残の1つが2月の節分です。他にも童謡「茶摘み」に出てくる「八十八夜」も立春の日を1日目としています。

立春の日時

立春は太陽黄経が315度になった時のことを示すため、時間が決まっています。

2000年から2050年までの立春の時間は下記の通りです。世界時と日本の時間です。

世界時の
立春の日
世界時
での立春
日本の
立春
日本での
時間
2000年 2月4日 12:40 2月4日 21:40
2001年 2月3日 18:29 2月4日 3:29
2002年 2月4日 0:24 2月4日 9:24
2003年 2月4日 6:05 2月4日 15:05
2004年 2月4日 11:56 2月4日 20:56
2005年 2月3日 17:43 2月4日 2:43
2006年 2月3日 23:27 2月4日 8:27
2007年 2月4日 5:18 2月4日 14:18
2008年 2月4日 11:00 2月4日 20:00
2009年 2月3日 16:50 2月4日 1:50
2010年 2月3日 22:48 2月4日 7:48
2011年 2月4日 4:33 2月4日 13:33
2012年 2月4日 10:22 2月4日 19:22
2013年 2月3日 16:13 2月4日 1:13
2014年 2月3日 22:03 2月4日 7:03
2015年 2月4日 3:58 2月4日 12:58
2016年 2月4日 9:46 2月4日 18:46
2017年 2月3日 15:34 2月4日 0:34
2018年 2月3日 21:28 2月4日 6:28
2019年 2月4日 3:14 2月4日 12:14
2020年 2月4日 9:03 2月4日 18:03
2021年 2月3日 14:59 2月3日 23:59
2022年 2月3日 20:51 2月4日 5:51
2023年 2月4日 2:42 2月4日 11:42
2024年 2月4日 8:27 2月4日 17:27
2025年 2月3日 14:10 2月3日 23:10
2026年 2月3日 20:02 2月4日 5:02
2027年 2月4日 1:46 2月4日 10:46
2028年 2月4日 7:30 2月4日 16:30
2029年 2月3日 13:20 2月3日 22:20
2030年 2月3日 19:07 2月4日 4:07
2031年 2月4日 0:57 2月4日 9:57
2032年 2月4日 6:48 2月4日 15:48
2033年 2月3日 12:41 2月3日 21:41
2034年 2月3日 18:40 2月4日 3:40
2035年 2月4日 0:30 2月4日 9:30
2036年 2月4日 6:19 2月4日 15:19
2037年 2月3日 12:10 2月3日 21:10
2038年 2月3日 18:02 2月4日 3:02
2039年 2月3日 23:51 2月4日 8:51
2040年 2月4日 5:38 2月4日 14:38
2041年 2月3日 11:24 2月3日 20:24
2042年 2月3日 17:11 2月4日 2:11
2043年 2月3日 22:57 2月4日 7:57
2044年 2月4日 4:43 2月4日 13:43
2045年 2月3日 10:35 2月3日 19:35
2046年 2月3日 16:30 2月4日 1:30
2047年 2月3日 22:16 2月4日 7:16
2048年 2月4日 4:03 2月4日 13:03
2049年 2月3日 9:52 2月3日 18:52
2050年 2月3日 15:42 2月4日 0:42

2021年は124年ぶりに2月3日に立春になったことで話題になりましたが、日本において1984年1980年1976年1972年は2月5日が立春になっていたこともありました。

これからしばらくは4年に1度2月3日が立春となります。

二十四節気における立春の日時と期間

「立春」や他の二十四節気は太陽黄経が特定の角度になった瞬間を示しますが、二十四節気において時間は一定の期間を示すこともあります。

下記が各年の立春の期間です。

  • 2021年は2月3日から2月17日
  • 2022年は2月4日から2月18日
  • 2023年は2月4日から2月18日
  • 2024年は2月4日から2月18日
  • 2025年は2月3日から2月17日
  • 2026年は2月4日から2月18日
  • 2027年は2月4日から2月18日

天文学的な立春の時から黄道の角度で15度太陽が移動した時が「雨水」になるため、その前日までの期間を立春としています。

また立春の期間を「正月節」あるいは「1月節」と言うこともあります。

立春の次の雨水と合わせて1ヶ月と見做す「節月」という月の単位もあります。

立春と行事と宗教

立春を基準とする年中行事や宗教的な行事があります。

節分の翌日としての立春

節分の豆

節分は立春の前日に行われる日本の伝統行事です。元々節分は季節を分けるという意味で、立春・立夏・立秋・立冬の前日のことでしたが、現在は立春の前日のみを節分ということが多くなりました。

節分においては「鬼は外福は内で豆」を巻き、歳の数だけ厄除けのために豆を食べるという風習があります。地方や神社によってはこれら以外のことを行う風習もあります。

宗教としての立春

厄年(一般的には男性が数え年で25才・42歳・61歳、女性が数え年で19歳・33歳・37歳)には厄払いをするという風習がありますが、一般的には新しい年を迎える節分までに行うのが良いとされています。

旧暦では、立春に最も近い新月を元日とし、月の満ち欠けを基準(月切)にした元日(旧正月)と、太陽黄経を基準(節切)にした立春は、ともに新年ととらえられていました。

だから節分までに新しい年に厄を持ち越さないために節分までに厄払いをするということになっていました。

立春に関すること

立春に関することをいろいろと説明していきます。

九星気学と立春

占いとしても人気の九星気学、自分の生まれた年の九星(一白水星や二黒土星 等)を基準にして占われますが、正確には九星における1年は、立春から翌年の立春の前日までを1年としています。

つまり早生まれの場合だと、前年の九星となる訳です。

例えば2021年生まれの人は「六白金星」ですが、正確には2021年2月3日から2022年2月3日までに生まれた人が「六白金星」です。

2025年生まれであれば「二黒土星」ですが、正確には2025年2月3日から2026年2月3日までに生まれた人が「二黒土星」です。

意外と自分の九星を間違えて覚えている人もいるので1月2月生まれの方は1度調べてみてはいかがでしょうか?

立春の七十二候

二十四節気の1つを更に3つに分けている七十二候

立春の七十二候は下記のものです。

  • 東風解凍(こちこおりをとく)-初候-第一候
  • 黄鶯睍睆(うぐいすなく)-次候-第二候
  • 魚上氷(うおこおりをいずる)-末候-第三候

早春の訪れをそれぞれ細かく表現しています。

立春と暦注

今では暦の暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)と言えば、六曜(大安や友引 など)や九星ですが、昭和初期までは十二直を一番重要視する人が多くなっていました。

十二直の最初にあたる建をいつ配置するかは二十四節気によって決まっていますが、立春の月は立春後の最初の寅の日が「建」とすると決まっています。

他にも暦注において二十四節気や立春を基準に決めているもは下記のものがあります。

  • 天恩日
  • 往亡日
  • 帰忌日
  • 受死日

二十四節気は占いといろいろと結びついています

以上、立春についてでした。

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